「ふつう」のくらしをうばわれた なんみんのはなし
Мой самый обычный дом / My most ordinary home

あらすじ
安全な場所を求めて、長い長い旅をする難民の子どもが、故郷の家を思い出して考えます。魔法でおうちを小さくして、手で持っていけたらいいのに。あるいは、おうちに足が生えて、いっしょに来てくれたらいいのに。そしてどんなに怖いことが起こっても、おうちが守ってくれたらいいのに・・・。
ウクライナ難民との交流から生まれた絵本。一度にすべてを奪われた難民の子どもたちの物語。彼らが再び「ふつう」の生活を取り戻せるように、せめて避難先では暖かく受け入れてあげたい──そんな気持ちにさせてくれる作品です。
作◆コンスタンチン・ザテューポ(Constantin Satüpo)
1978年モスクワ生まれ。モスクワ印刷芸術大学で学んだ後に、ベルリンのヴァイセンゼー芸術大学でビジュアル・コミュニケーションを学ぶ。現在、ベルリンでイラストレーター、グラフィック・ノベル作家として活躍中。2019 年から アート・プロジェクトの一環として、難民支援団体とのコラボレーションを行っている。2022年のロシア軍によるウクライナ侵攻開始後は、芸術イベントや学校、路上で、日常的に家を追われた子どもたちと交流している。
訳◆藤原 潤子(ふじわら じゅんこ)
神戸市外国語大学准教授、かけはし出版代表。ロシアをフィールドとして文化人類学研究を行いつつ、絵本などの翻訳にもたずさわる。著書に『呪われたナターシャ:現代ロシアにおける呪術の民族誌』(人文書院、2010年)、『シベリア:温暖化する極北の水環境と社会』(共編著、京都大学出版会、2015年)、訳書にA.ウサチョフ作、I.オレイニコフ絵『まほうの木』(東洋書店新社、2020年)、A.ロマーエフ作『パパかいぞくのこもりうた』(成山堂書店、2022年)など。